11/18(月)、日本ラグビーフットボール協会がジェイミージョセフヘッドコーチとの契約を2023年まで延長したことが発表された。ジェイミーは2019ラグビーワールドカップで日本代表を初のベスト8に導いた名将。この続投の発表は全ラグビーファンが望んでいたことだろう。
そして、日本のスクラムを世界レベルに引き上げたとして注目を浴びている長谷川慎スクラムコーチや、日本代表にどこからでも相手を崩すアタックを教えたトニーブラウンアタックコーチとも契約延長の大筋合意をしたとしている。
ベスト8に導いたコーチ陣のもとで次の大会、日本代表がどんな活躍を見せてくれるか楽しみだ。
新体制最初の試合は?
7月に行われるイングランドとの国内での2連戦がおそらく新チームでの最初の試合だろう。イングランドはワールドカップ準優勝の強豪、ジェイミー率いる日本代表がどんな試合を見せるか楽しみだ。
ジェイミージョセフの経歴
プレイヤーとしての経歴
現役時代のポジションはフランカー、ナンバー8などのバックローといわれるポジションで活躍していた。
大学卒業後は、オタゴ州代表、マオリオールブラックス、オールブラックスと一段ずつ階段を昇って行った。
そして1995年のワールドカップにオールブラックスの一員として出場し、準優勝に輝いた。
ワールドカップの後に来日し宗像サニックスブルースに加入して、1995-2000にわたってチームの一員として活躍した。この来日での活躍などによって日本代表でも活躍し、1999年のワールドカップにも日本代表として出場している。
ここで疑問を持つ方も多いかもしれない。なぜオールブラックスだったのに日本代表としてもワールドカップに出ているのかと。
現在のルールでは一度国の代表として出場したら他国で代表を背負うことができなくなるが、当時のルールでは問題なかったためこのようなことが起きている。
コーチとしての経歴
2003年に指導者に転向し、ウェリントン州代表のアシスタントヘッドコーチ、ヘッドコーチ、さらにはマオリオールブラックスのヘッドコーチに就任するなど、ニュージーランドのエリートコーチ街道の定番ルートで指導者としてのスキルを磨いた。
その後、2016年に日本代表ヘッドコーチに就任し、ワールドカップ2019では我々日本国民に最高の喜びをもたらした。そして今回日本代表ヘッドコーチを2023まで続投することが決まった。
コーチとしての特徴
とにかく厳しい
エディージョーンズ前ヘッドコーチの時も、かなり厳しいとされていた日本代表の合宿。しかし、ジェイミージョセフヘッドコーチのもとのワールドカップ前の宮崎合宿が、「人生の中で一番きつい合宿」と選手たちは口をそろえて言っていた。
とにかく熱い
スコットランド戦の前に台風が来て開催が危ぶまれたとき、スコットランド協会に日本代表がいびられたことは記憶に新しいだろう。この時もジェイミージョセフは怒りをあらわにして、「グランドで決着をつける」と発言していた。
選手たちと歩んだ長い合宿を考えると許すことができなかったのだろう。
選手の自主性を重視
細かく役割分担をするところまではジェイミーが行うのだが、その後は各役割にリーダーを設定しそのリーダーを中心に物事を考えるチームを育成した。
「グラウンドに立つのはコーチでなく選手」、とジェイミーがいっていたようにこの言葉通りのチームを作った。
この成長が如実に表れたのはワールドカップ前、7月に行われたフィジー戦であろう。キックを相手に渡してしまったことからトライを許したのだが、その後選手たちが話し合ってボールをキープするように戦術を変えて、見事勝利した。この試合を見てワールドカップに希望を持てた人も多いのではないだろうか。
優秀なコーチ陣からの信頼が厚い
「サインプレーを考える天才」といわれているトニーブラウン(日本代表アタックコーチ)から、絶対的な信頼を得ている。
誰もが憧れるオールブラックスのコーチにブラウンが打診されたときも、ジェイミージョセフがヘッドコーチの時のみコーチを引き受けると言っている。
ブラウンの指導者としての本格的なスタートとなったハイランダーズ時から、共にチームを率いているとしても、ここまで信頼されることはめったにないだろう。優秀なコーチ陣に信頼されているという点もジェイミーの強みだろう。
名言
ミスを恐れることがミス
日本代表選手が新しいことに挑戦するのに消極的なことを見て言った言葉。このジェイミーの言葉に込めた思いが、日本代表の限界値を引き上げベスト8に勝ち上がったことを示している。
とにかくこうやって、岩が砕けるまで拳を打ち続けるしかないんだ
2018年時にサンウルブズを率いたときに言った言葉。開幕から9連敗した後のロッカールームで発言したそうだ。
この言葉からわかる通り、忍耐力があり長い目でチームの成長を待てるヘッドコーチなのだろう。これには、選手として日本代表を背負った過去も影響しているはずだ。弱い日本代表を知っているだけに、寄り添い鼓舞する言葉が出るのではないかと思う。
アイルランド戦の前の俳句
これはアイルランド戦勝利後の田村選手のインタビューですべてがわかる。
まとめ
ヘッドコーチ含むコーチ陣の続投が決まったことは嬉しいことで、さらに早期にチームの体制が固まったことによって次のワールドカップに向けた選手選考など、チームの基盤が早く固まることはとてもいいことだ。
早速来年の7月にイングランドとのテストマッチが待っている、今後も日本代表の活躍に期待!
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