元日本代表畠山選手が在籍 メジャーリーグラグビーとは

海外ラグビー

日本でトップリーグのプロ化が検討されている中、一足先にプロリーグを開催したリーグがある。

それは北米を拠点としたメジャーリーグラグビーだ。

北米で行われているプロラグビーリーグである、メジャーリーグラグビー。メジャーリーグラグビーの歴史や、スター選手についてまとめます。

アメリカでの ラグビープロリーグの歴史

アメリカでのラグビーのプロリーグは2016年に始まった。しかし、プロリーグ開幕当初は現在行われているメジャーリーグラグビーとは別の形で始まった。

開始わずか1年で終了した「Pro Rugby」

オハイオ対サクラメントのワンシーン
https://www.stuff.co.nz/sport/rugby/international/より引用

2016年に始まったアメリカでのラグビーのプロリーグは「Pro Rugby」という名前で始まった。現在のメジャーリーグラグビーを行っている団体とは別の団体である。

この「Pro」という名前は、プロフェッショナルという意味と、このリーグを主催していた「The Professional Rugby Organization」の略称との掛詞でついた名前と言われている。

「Pro Rugby」は「デンバー、オハイオ、サンディエゴ、サンフランシスコ、サクラメント」の5都市を拠点とする5チームで始まった。

オハイオを除くとラグビーへの関心が強かった西海岸を拠点とするチームばかりであったため2年目である2017年シーズンからはチーム数、地域の拡大を広げると宣言していた。

しかしスポンサーや放送などの資金面をリーグを行いながら、整えていくといったプロ化という大きな挑戦に対しては甘い戦略だった。

拡大するどころか、サンフランシスコのチームが2年目の継続は不可能となった。

これには、試合会場の確保ができないこと、現地メディアが非協力的だったことが影響している。

スポンサーもつかず、金銭的にも厳しく、拡大の目途が立たないこのリーグは終了の危機にあった。

そしてついにはアメリカのラグビー協会とPro Rugbyを運営する団体がPro12(現在のPro14)に参加するか否かで揉めてリーグはたった1年で終了することとなった。

アメリカ、ラグビープロ化2度目の挑戦「メジャーリーグラグビー」

2018年開始

MLRの様子
https://www.seattlesouthside.com/より引用

2018年4月21日2度目のプロリーグが始まった。これが現在行われているメジャーリーグラグビー。

創設時は7チームが集まりリーグをスタートさせた。

スポンサーもつけ、運営方法も改善

「Pro Rugby」とは別の団体が運営しているとはいえ、その時に起こった反省点を活かしている。

「Pro Rugby」ではインターネット放送しかなかったが、「メジャーリーグラグビー」ではESPN,CBS Sportsといった大手放送会社をパートナーにつけて放映権料という安定した収入を得ているため今回はプロ化に成功している。

運営方法はシングルエンティティというすべてのチームがリーグのオーナーに所有されている仕組みになっており、MLS(メジャーリーグサッカー)の運営方法と同じである。

この運営方法のメリットを簡単に言うと、各チーム単体の成長だけではなくリーグ全体として成長していくには好都合なのだ。(単独チームが強くなりすぎるとリーグ内の戦力バランスが崩れ、リーグの魅力がなくなるなどのデメリットがなくせる)

もし運営方法について興味があればシングルエンティティという言葉を調べてみてほしい。

年々リーグ拡大、勢いがあるリーグ

そして2019年には2チーム、2020年からはさらに3チーム増え、12チームとなり。各国のスター選手と契約を増やしているため、国内外から注目を集め始めている。

メジャーリーグラグビーの詳しい内容

チーム

チーム数は12チームあり、2つのカンファレンスに6チームずつ分けられる。

詳しいリーグの内容はリーグ戦の大会概要にてまとめてある。

チーム名所属カンファレンス拠点都市ホームスタジアム参加年
オースティン・ギルグロニスウェスタンテキサス州オースティンサーキットオブジアメリカス2018
コロラドラプターズウェスタンコロラド州グレンデールインフィニティパーク2018
ヒューストン・セイバーキャッツウェスタンテキサス州ヒューストンアヴェヴァスタジアム2018
サンディエゴ・リージョンウェスタンカリフォルニア州サンディエゴトレロスタジアム2018
シアトル・シーウルブズウェスタンワシントン州タックウィラスターファイヤースタジアム2018
ユタウォーリアーズウェスタンユタ州ヘリマンザイオンズバンクスタジアム2018
ニューイングランドフリージャックスイースタンマサチューセッツ州ウェーマスユニオンスポーツコンプレックス2020
ニューオーリンズゴールドイースタンルイジアナ州メテリーゴールドマイン2018
オールドグローリーDCイースタンワシントンDCカーディナルスタジアム(ワシントンDC)2020
ラグビーユナイテッドニューヨークイースタンニューヨーク州ブルックリンMCUパーク2019
ラグビーATLイースタンジョージア州マリエッタルポファミリーフィールド2020
トロントアローズイースタンオンタリオ州トロントランポートスタジアム2019

リーグ戦の大会概要

開催時期

メジャーリーグラグビーは2月から6月末の5か月にわたって開催される。アメリカで超人気スポーツであるアメリカンフットボールのオフシーズンを狙ってこの時期に開催されていると考えられる。

リーグ戦の内容及び勝者の決定方法

2019年以前
2019年まではカンファレンスごとに分けられていなかった。そのため各チームが16試合をリーグ戦として行い、上位4チームがプレーオフに進出する形で大会は開催されていた。
2020年以降
2020年からはチーム数が増えたこともあり、12チームが6チームごとにウェスタンカンファレンス、イースタンカンファレンスの2つのカンファレンスに分けられた。        そして同じカンファレンスのチームとホーム&アウェイの10試合、カンファレンスが異なる6チームとそれぞれ1試合ずつ試合を行い、計16試合の結果でリーグ戦の順位は決まる。  そしてリーグ戦の順位によってプレーオフへの進出をきめるのだが、やや複雑なので図によって解説する。
 
つまり、カンファレンスの上位3チームがカンファレンスの優勝決定トーナメントに参加し、そこで優勝したチームが年間優勝決定戦に進める仕組み。日本で行われているプロ野球のプレーオフと似た形である。

海外選手人数

チームの選手の内、外国人選手は10人まで登録できるルールとなっている。

北米の選手が国内選手扱いになっている。

スター選手

今年メジャーリーグラグビーの舞台で戦う、世界で活躍したことのあるスター選手を取り上げる。

名前所属チーム代表歴前所属先身長/体重ポジション
マー・ノヌーサンディエゴ・リージョンオールブラックス103キャップブルーズ(スーパーラグビー)182/108センター
テンダイ・ムタワリラオールド・グローリーDCスプリングボクス117キャップシャークス(スーパーラグビー)183/116プロップ
アダム・アシュリークーパーオースティン・キルグロニスワラビーズ121キャップワラターズ(スーパーラグビー)185/98センター、ウイング
畠山 健介ニューイングランド・フリージャックス日本代表78キャップサントリーサンゴリアス(トップリーグ)178/115プロップ
マチュー・バスタローラグビーユナイテッドニューヨークフランス代表(レ・ブルー)54キャップトゥーロン(トップ14)182/120センター
ファン=マヌエル・レギサモンシアトル・シーウルブズアルゼンチン代表(ロスプーマス)87キャップハグアレス(スーパーラグビー)190/104フランカー、No.8
ディグビー・イオアネコロラド・ラプターズワラビーズ35キャップパナソニックワイルドナイツ(トップリーグ)179/93センター、ウイング
レネ・レンジャーコロラド・ラプターズオールブラックス6キャップサンウルブズ(スーパーラグビー)183/105センター、ウイング

日本で見ることのできる試合

日本ではメジャーリーグラグビーの放送はないが、メジャーリーグラグビー公式のYoutubeアカウントがあるため、ここでハイライトなどが見ることができる。

こちらは昨年のプレーオフ決勝のハイライト。

各試合のハイライト以外にも、各節ごとの最も印象的なトライを特集した「トライオブザウィーク」や、各チームの年間ベスト5トライを特集した「トップ5トライ」などの動画が提供されており、世界中に発信しようという姿勢がうかがえる。

2020年第1節の「トライオブザウィーク」

2019「ヒューストン・セイバーキャッツ」の年間ベスト5トライ

歴代優勝チーム 決勝のスコア

過去の成績

優勝チーム準優勝チーム3位4位
2018年シアトル・シーウルブズグレンデールラプターズ(現:コロラド・ラプターズ)サンディエゴ・リージョンユタウォーリアーズ
2019年シアトル・シーウルブズサンディエゴ・リージョントロント・アローズラグビーユナイテッドニューヨーク

決勝のスコア

優勝チームスコア準優勝チーム
2018シアトル・シーウルブズ23-19グレンデール・ラプターズ(現:コロラド・ラプターズ)
2019シアトル・シーウルブズ26-23サンディエゴ・リージョン

各個人成績

プレイヤーオブザイヤーフォワードオブザイヤーバックスオブザイヤーコーチオブザイヤー
2019ブラッド・タッカー(シアトル・シーウルブズ)パディ・ライアン(サンディエゴ・リージョン)JPデュプレッシー(サンディエゴ・リージョン)ロブ・ホードリー(サンディエゴ・リージョン)

まとめ

まだまだ始まったばかりで会場の規模や観客動員数などは小さいがアメリカでもしワールドカップが行われることになったら、日本と同じかそれ以上に盛り上がることだろう。

ワールドカップが行われていない現在でも徐々に規模が大きくなっているこの、メジャーリーグラグビーには是非注目してみてほしい。

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