「ビッグマン&ファストマン」TIDキャンプ 隠れた逸材を探す

2018TIDキャンプ 4回学生ラグビー
https://www.rugby-japan.jp/news/2018/12/25/49636より引用

12/21~12/23の3日間、同志社大学京田辺キャンパスのラグビー場でTID(人材発掘・育成)キャンプが行われる。

通常TIDキャンプでは、U20世代の日本代表候補や高校日本代表候補が選出され、国際レベルの合宿を行う。

しかし、今回のTIDキャンプはそれとは異なる。各世代の代表になったこともなく、花園などの全国の舞台に立ったことのない選手。つまりはまだ名の知れていない選手を集めて合宿を行うものだ。

一芸を持つ選手を集める「ビッグマン&ファストマンキャンプ」

集められる選手たち

今回の合宿で集められる選手たちは、190cm/120kgを超えるような超大型選手やラグビー以外のスポーツで有名だった選手、小柄ながらもスピードやキレに磨きがかかっている選手など、現時点で日本代表候補になれないにしても、一部分ではそれに匹敵する特徴を持っている選手。

こういった磨けば光る可能性がある選手たちに、自分の魅力に気付いてもらおうといった趣旨の合宿である。

その名も「ビッグマン&ファストマンキャンプ」

去年の冬に第1回目の「ビッグマン&ファストマンキャンプ」が初めて行われて今回は3回目になる。

ラグビー界が抱える問題解決の1つとして始まった

この合宿は元日本代表で日本代表のリソースコーチでありラグビー解説でも有名な野澤武史さんらが企画したものである。

ラグビー界には今後の伸びしろが大きくあるような選手が、伸びることも、日の目を浴びることもなく競技生活を終えてしまうという大きな問題があった。

この問題を解決するために始まったのがこのキャンプだ。

このキャンプを通じて、自分の優れたポイントや豊富に残っている伸びしろに気づいてもらい、自分は全国クラスになりえる選手なのだと自覚し、ラグビーへの意識を高めるのが目的。

こうすることで、隠れた逸材たちを逃さないという、日本ラグビーにとって重要なキャンプなのだ。

昨年行われた第1回目のキャンプの効果は早速表れている。

第1回「ビッグマン&ファストマンキャンプ」について

2018TIDキャンプ 4回
https://www.rugby-japan.jp/news/2018/12/25/49636より引用

2018年12/22から3日間行われた第1回のキャンプ。

青森山田からは189cm126kgの超大型プロップ、山口県予選の1回戦で敗れた宇部高校からは俊敏なFB(フルバック)、八戸西からは立ち幅跳び280を超えるような体がばねのような選手など、さまざまな特徴を持った選手が集められた。

3日間の合宿は、サンウルブズのアシスタントコーチを務めた田邊淳コーチなど、日本でも最高峰のコーチから学んだ選手たちは、周りがみて一目でわかるほど成長して終えた。

そして、「選手に全国レベルのプレイヤーであるという自覚をしてもらう」という、このキャンプの目的は達成したようで、選手たちは将来日本代表になりたいと思いながら帰宅した。

このキャンプに参加した選手たちのキャンプ後の活躍

https://www.rugby-japan.jp/news/2019/07/25/50010より引用

2019年3/24~3/27に行われたU20日本代表の合宿に飛び級で参加した選手がこのキャンプの出身選手から生まれた。

キャンプでMVPに選ばれた、中山覚富選手(山口・宇部)

末永天選手(宮城・仙台)、松本光貴選手(明大附属中野八王子)、小林宗也選手(神奈川・横須賀)の4選手だ。

この4名はU20世代のスター選手(田嶋グン、山本凱、丸山凜太郎、日下太平、河瀬諒介など)と一緒に合宿を行うことで、さらに技術的にも精神的にも成長した。

そして松本光貴選手はさらにステップアップを果たしている。U20のワールドカップに日本代表として出場した。

高校生から選出されているのは2名(松本光貴選手、奥井章仁選手)だけなので、一気にトップ選手に上り詰めたのである。これはまさに快挙で、このキャンプの目的(無名な選手の中の逸材発掘)を示してくれたこととなる。

キャンプの思わぬ効果

キャンプに参加した選手のみが、このキャンプの効果を得たわけではない。

というのも、キャンプに参加した選手が在籍する高校に練習を見学しに行ったことがあったのだが、キャンプに参加した選手がキャンプで学んだ練習方法や技術をチームメイトに還元していたのである。これは予想していなかった効果なのではと思う。

そもそもキャンプに参加した選手が在籍している高校は地方の花園未出場校などで、ラグビー経験者が1人でもいればいい方なので、ラグビーのきちんとした技術を身につけることができるのは日本ラグビーの底上げ、地方のラグビーの活性化にもつながる。

201912/21~12/23に参加する選手

伊藤匠海、寺尾壮吾、河合祐樹、小林伸輔、帆苅大河、藤沢遥人、岩舘大樹、志賀拓実、荒木凌誠、長田士導、甘糟日向、佐々木柚樹、岸佑融、長瀬穣一郎、田島貫太郎、猪狩敬吾、能勢涼太郎、山本龍作、浅井勇暉、杉浦健人、岩男璃呼、川原流空、西山宏、小川洋生、金昴平、岩田一真、太田靖、中村勇仁、竹本尚也、西浩斗、世継黛樹

まとめ

野澤武史さんが発案した「ビッグマン&ファストマンキャンプ」は日本ラグビーにとってとても有意義なものになっている。将来このキャンプ出身の日本代表が現れるかもしれない。

学生ラグビーが気になる方は、この選手たちの将来にもぜひ注目してみてほしい。

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