ラグビーを見ていると、頭や太ももにテーピングがぐるぐる巻きになっている選手を見ることがあると思います。一見、試合前から満身創痍で大丈夫なの?と思うかもしれませんが、実はあのテーピングケガをしているから巻いているわけではないのです。
頭のテーピングについて
頭のテーピングの例

日本代表の英雄トンプソンルークの試合中のワンシーン。この写真を見ると、トンプソン選手の頭にテーピングがついているのがわかるだろう。
このテーピングが何故巻かれているのか解説。
テーピングがなぜ巻かれているのか
「餃子耳」。そんな言葉を聞いたことはないだろうか。柔道選手がよくなっている、耳の形のことである。(写真を載せれば早いのだが、苦手な方もいると思いますので割愛)
ラグビー選手の頭のテーピングは、この「餃子耳」になるのを防ぐのが主な目的。なので、先ほどのトンプソン選手の写真も耳の上の部分にテーピングがついている。
餃子耳は形が変形するのも嫌なのだが、何より痛い。これを軽減するには外部からの刺激を少なくすることが大切。なのでスクラムの最前列の選手(プロップ・フッカー)や2列目の選手(ロック)がこのテーピングをつけていることが多い。
ぐるぐる巻き以外にも様々なつけ方が
要は耳を保護できればいいので、テーピングのつけ方は人によって異なる。
頭ぐるぐるテーピング

先ほども書いたが、耳の上の部分がテーピングで包まれていることに注目。
この方法だとテーピングがずれることがなさそう。
耳の上だけテーピング

こちらの写真はウェールズの英雄アランウィンジョーンズの写真。
この写真を見ると、耳の上部分だけにテーピングがついているのがわかるだろう。
テーピングでなく、ヘッドキャップ

日本代表・サンウルブズで活躍している「やんぶー」こと山下選手。
こちらはテーピングでなくヘッドキャップ。ヘッドキャップは好みが相当分かれるため、大人になるとほとんどがヘッドキャップを外す。
高校生まではヘッドキャップの着用義務があるため、筆者もつけていたが、暑い、耳が聞こえにくくなるといった不便な点がある。
太もものテーピングについて
太もものテーピング例

こちらもトンプソン選手。いかにロックの選手が忙しいかわかりますね。
この太もものテーピングが何故巻かれているか解説。
テーピングは何故巻かれているのか

ラグビーにはラインアウトというプレーがある。この上の写真のように人を持ち上げて、ボールを取り合うプレーのこと。
実は太もものテーピング、ラインアウトでの人を持ち上げる手助けの役割を持っている。
いくら屈強な男といえども、同じ屈強な男を持ち上げる、ましてや凹凸の少ない膝上を持って人を安定して持ち上げるのは難しい。そこでテーピングを使った細工をして持ち上げやすくしている。
テーピングはどう巻かれている?

この写真をよく見てほしい。テーピングが膨らんでいるのがわかると思う。
この膨らみは、薄いウレタンなようなものをテーピングで包んで凹凸を作り、持ち上げる人(リフター)の前側の人が持ちやすくなるようになっている。
これによって汗などをかいて持ちにくい場面でも、持ち上げることができる。
まとめ
ケガをしている時や、試合中の接触による切傷を覆うためなどにもテーピングは使われるが、実はテーピングには試合をスムーズに行うための役割を担っていることもある。
こういう、ラグビー独特の部分を知ると、より観戦が面白くなるかも。
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